神保氏張添状(じんぼうじはるそえじょう) 


 戦国時代、勝興寺は北陸を代表する本願寺派寺院の地位を確立し、有力な一向一揆勢として、上杉謙信、武田信玄(1521~73)、織田信長ら戦国武将たちの対立の間にあった。本史料は、勝興寺の古国府での坊舎建立の確定を示す史料であるが、同時に織田方による旧一向一揆方掌握・被官化を告げる最も早い例である。氏張の役割の大きさがうかがえる。なお、本文末の専福寺は黒河専福寺(現・高岡市)であろう。越中一向一揆方と武将間の交渉に携わった僧だったと思われる。

出所:高岡市雲龍山勝興寺/文化財デジタルアーカイブ